代表・小柳の減量日記(26) (2015/11/26)

減量日記 26日目 92.2kg(スタート時)→86.4kg(昨日)→86.1kg(今日)
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雄峰 師匠

先日お会いした方から興味深い話しを聞きました。その方は中国での生活が長いのですが、中国人の食べるものにはものすごい量の油が使われているそうです。念入りに油に通したりかけたり。日本人が常食したらまず脂肪分でころっと太ってしまうそうですが、中国人は不思議と油だらけの料理でもそれほど太らない。(もちろん、恰幅の良い人は多いでしょうけれど、極度の肥満という人は少ないようです。)

これは中国人の体質がそういう料理に適応しているからではないかということなのです。つまり、地のものを常食していて肥満するということはない、のではないかと。

原始人は当然肥満とは無縁でした。むしろ飢餓が常態であった。しかし、農産物が十分になり、貯蔵技術も発達して食料に不自由しない状況にあっても、つい数世代前までのほとんどの人類は肥満していなかった。

宮沢賢治も「玄米四合」を毎日食べても肥満はしていません。労働強度の現在との違いや、副食物の量の少なさもあるでしょうけれど、玄米の大量摂取という「地の食事」のあり方に昔の日本人が適応していたからでしょう。文明開化期に、日本に来た外国人が雇った俥夫が余りにも粗食(栄養学的に)なので、西欧風の「栄養」に満ちた食事を与えたところ全く力が出なくなってしまったという逸話を聞いたことがあります。

つまり本能的に、地の食文化の中で肥満しないでいられ、健康に働ける、適度な摂取のコントロール能力をヒトは持っているはずなのです。
それは、情報として伝えられるものではなく、まさに「智慧」としかいいようのないものでしょう。

どうして近年、全世界的に肥満が急速に増えてしまったのでしょうか。特に、アメリカ人の肥満率はすごい。もともと、入植者の子孫の歴史の浅いアメリカの、特に都市部では「地のもの」の伝統料理と言えるものはないか影が薄く、代わりにジャンクフードが特に低所得者層に蔓延しています。口当たりだけが良く、脂質と糖質が極端に多いジャンクフードを食べていたら、太るのは当然。
(ジャンクフードが嗜好されるのは労働が頭脳だけを使う情報労働にシフトしたからという理由もあるのですが、ここでは置いておきます。)

では、ジャンクフードは、それを売るチェーン店はどうやって広まったのか。もちろん、莫大な広告宣伝によるものです。テレビCMの登場とジャンクフードの普及は両輪といえます。
マスの広告宣伝とは、資本力により強制的に流通される「情報」です。この情報は資金力の裏付けで強引に人々の意識に刺激を与えます。この宣伝による情報の流通がなければ、ジャンクフードは広まることはできません。そしてそれは全世界共通となりつつある問題です。アメリカ発のジャンクフードの宣伝が、エスキモー(イヌイット)の村にすら及んでいるのです。エスキモーの肉食・魚食中心で野菜や穀物が極端に少ない状況に適応していた伝統的食文化(糖尿病、心疾患、脳卒中などの生活習慣病とつい近年まで無縁だった)は、宣伝の力で、スーパーマーケットで売られるジャンクフード文明にとってかわられ、いまのカナダ・エスキモーの多くは肥満症に罹患しています。

さて、私自身も、減量中はある意味ジャンクな低カロリー食(腹持ちを良くするためにある種の添加物が多用されている)を利用していたりします。まずはカロリーを抑えることが重要と考えているからです。しかし、一旦目標体重に達してからそれを維持するには、宮沢賢治にならい、伝統的な和食中心の食事に回帰するべく心がけるしかないかな、と考えています。

(エスキモーの肥満については、椎名誠『奇鬼驚嘆痛快話』第12回「肥満という名の快楽」に基づきました。
http://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/20130130/338585/… )

朝:カゴメ GREENS
昼:鶏肉ときのこのバター醤油風セット(ミールタイム)
夕:鶏ささみとキャベツの蒸し物、納豆、冷や奴、海苔、ネギ、みかん

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